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ファンタスティックヒストリー 超島原幻闘録 ~柳生十兵衛地獄変~ 第3章 ー 26

 石部の宿でゆっくりと休んだ三厳と利厳。
 坂下の西願寺では寝られなかっただけに大助かりであった。爽やかな朝、石部を出立。
 今回は寄らないが近江富士こと三上山が見える。三上山は俵藤太(たわらのとうた)こと藤原秀郷(ふじわらのひでさと)が大百足退治を行った舞台。
 下野(しもつけ)栃木の藤原村雄(ふじわらのむらお)の子で平将門討伐にも参加して居る。
 平安期、此処近江国瀬田の唐橋に大蛇が横たわり、人々が恐れて通れなかった所に秀郷が通りかかり大蛇を踏み付けて渡る。
 大蛇は人に姿を変え、一族が三上山の大百足に苦しめられて居ると訴え秀郷を見込んで退治を願う。
 弓矢で大百足と対峙した秀郷、一の矢、二の矢は跳ね返されるも三の矢に「唾」を付けて射た所、遂に大百足を退治出来たとの事。
 謝礼に「米の尽きる事の無い」俵や「いくら使っても尽きる事の無い」巻絹等の宝物を贈られた。
 琵琶湖は竜宮城にも通じて居てそこに招かれ赤銅の釣鐘も追贈され釣鐘を三井寺に奉納したとされる。
 室町期の「太平記」には三上山ではなく比良山に大百足が居たとされるが「俵藤太物語」の古絵巻が早期に成立して居たので三上山であるとか諸説有り。
 此処は草津、っと言っても「湯もみ」で知られる三名泉の一つは「上野(こうずけ)群馬」に有る。
 近江滋賀草津は東海道と中山道とに分かれる分岐点。
 弁天池を前に野路に入る。
 百人一首で「うかりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを」と詠んで居た源俊頼は此の辺り、野路で「あすもこん 野路の玉川 萩こえて 色なる波に 月宿りけり」と詠んだ事も有る。
 大津入り、瀬田の唐橋だ。
三厳:「此処に琵琶湖に通じる竜宮に棲む大蛇が倒れていたのか。」
 改めて豪傑藤原秀郷に思いを馳せて強さを知る。その秀郷は琵琶湖西側の三井寺に祭られて居る。
 京都も目の前と云う事も有って見所が多い。
 幕末から明治、大正にかけての男、大江敬香(おおえけいこう)は「近江八景」と題してこう詠んで居る。
 「堅田の落雁 比良の雪 湖上の風光 此の処に収まる 煙は帰帆を罩(こ)む 矢走の渡し 風は嵐翠を吹く 粟津の洲 夜は寒し 唐崎松間の雨 月は冷(ひやや)かなり 石山堂外の秋 三井の晩鐘 瀬田の夕(ゆうべ) 征人容易に 郷愁を惹(ひ)かん」
 当時、上京と言えば京都行きの事であった。
 逢坂(おおさか)、不破、鈴鹿と並べて日本三関の一つ「逢坂の関」に遣って来た。
 百人一首で有名な坊主、蝉丸も「これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関」と詠んで居る。
 また清少納言も「夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ」と百人一首で詠んだ逢坂の関。
 その近所が先程述べた三井寺である。
 比叡山延暦寺も割と近くあの武蔵坊弁慶が居たとされ「力餅」と云う餅が存在する。
 義仲寺だ。あの旭将軍源義仲を巴御前が供養したとされる所で後の松尾芭蕉の墓も作られた場所。
 そして明治期ロシア、ニコライ2世に津田三蔵が突然斬り付ける大津事件が有ったのも此の辺り。
 また明治期の日本画家、橋本関雪(はしもとかんせつ)の別荘跡としても知られる月心寺が建てられるが、境内には芭蕉句碑が有って「大津絵の 筆のはじめは 何仏」と書かれて居る。そして…。
 遂に来た、千年の古都、京都だ!見所と夢いっぱいの京都、帝のおわす京都。
 あの後白河法皇が天皇を名乗っていた頃に、都を悪霊から守る為、徳林庵と呼ばれる六角堂を建てさせたとされるその一つが見えて来た。
 「秋の田の かりほの庵(いお)の 苫(とま)をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」大化の改新で有名な中大兄皇子こと天智天皇陵と清水寺が目の前、知恩院、南禅寺、銀閣寺、御所も近くである。
 三条大橋に到着。少し南に下れば有名な五条大橋も有る…、しかし武蔵坊弁慶と源義経が出会ったとされる五条大橋はあの当時は存在すらしいていなかったらしい。義経記に因れば堀川小路から清水観音での出来事とされて居る。現在の松原通が当時の五条通とされ旧五条通西洞院に五条天神が存在しそこに架かる橋であったとも言われる。
 明治の作家、巖谷小波(いわやさざなみ)が五条大橋の件を言い出し尋常小学唱歌の牛若丸も是に習って歌った事に因り五条大橋の件が定着した。
 本日は此処に宿泊、良い夢が見られそうである…。
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東京メトロ03系日比谷線
(2021/01/18)


こんにちは^^
大蛇が、横たわって居たんですか・・・
踏んだら人になったそうですが、そういう伝説ってどこからどうやって出来るんでしょうね?
現代で言うと、『口裂け女』や『トイレの花子さん』辺りが、500年後ぐらいにはこういった伝説に、なっているのでしょうか?
実は以前、うちの家の前に、蛇(たぶん青大将)が横たわってた事が、あったのですが・・・
自分は恐いので避けましたが、もしも踏んでたら、人になってたりして^^;
でもそのあとで、蛇よりも恐い「大百足と戦ってくれ!」なんて依頼されたら、かなり嫌ですねぇ^^;

それにしても、いよいよ京都にやってきましたねぇ・・・
でも『島原』までは、ようやく半分・・・まだまだ長いですね^^;
『京都』と言うと、最早『陰謀だらけの街』って印象しか、無いのですが・・・^^;
何だかここでも、ひと悶着ありそうな気が@@

ガオ
(2021/01/18)


団長、お便り誠に有難う御座います。
そ、そう云う事に成って居るそうですー。
「口裂け女」、「トイレの花子さん」懐かしいですー、流行りましたねー。いずれ枝葉尾ヒレが付きますよー。^^;
青大将が家の前に!一見恐ろしいですが縁起は良いそうですよー。
はいー。3章目終了ですよー、長かったー。
京都って陰謀の街だったのですかー、知りませんでした。
確かに伏魔殿とか言いますねー。
ひと悶着、思案のし所。
今回も誠に有難う御座いました。

ミドリノマッキー
(2021/01/24)


いよいよ京都に入りましたか。
それにしてもさすがのガオさんです。
道中にかかわる諸説の解説、紹介がすごい。
その取材力と博識ぶりには感心するばかりです。

ガオ
(2021/01/24)


ミドリノマッキー様、ご覧下さって誠に有難う御座います、最高に嬉しいです。〈(_ _)〉
夢の都、京都、遂に来ました、五十三次、長かったー。楽しんで書いてましたけど。^^
取材力、博識振り、恐れ多い事です。〈(_ _)〉楽しんでるって言いますか他に脳が無いのでー。
マッキー様の更新を毎回楽しませて頂いて居ります。私も「漫画」が描ける様に成りたいです。
いつも大変お世話に成りまして感謝して居ります。
此からもどうか宜しくお願い申し上げます。〈(_ _)〉

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Author:ガオ
 宮崎の者で御座います。
 個人的に調査をした事を発表して居りますブログです。
 令和3年7月です。22日は海の日、23日スポーツの日から東京オリンピックが始まる予定です。
 引き続き健康第一!マスクにうがい、手洗いをどうか、宜しくお願い申し上げます。<(_ _)>

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