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ファンタスティックヒストリー超島原幻闘録~柳生十兵衛地獄変~ 第3章ー21

 此処は東海道の宿場の一つ、滋賀県との県境に近い三重県坂下(さかのした)。
 天助の雷雨のお陰で死闘の末、何とか小野次郎右衛門忠明こと御子神典膳を倒した柳生十兵衛三厳と柳生兵庫助利厳、雨は止んだが全身ずぶ濡れの上、すっかりと陽も暮れ、夕方に成って居た。
 三重県坂下から隣の宿場町滋賀県土山迄、直線距離にして大した物ではないが何せ「ほっしんの 初(はじめ)に越える 鈴鹿山」と松尾芭蕉が詠む程、急勾配の鈴鹿山脈は兎に角きつくて時間がかかり更に夜とも成れば危険極まりない。
 しかも此の辺り、その特殊な事情を利用する山賊が出没し鏡岩なる物で荒稼ぎをするとの話である。
 別に恐れる2人ではないがわざわざ危険な夜道を行かなくても良い。
 今回は近くに有った浄土真宗本願寺派西願寺(さいがんじ)に事情を説明して宿泊を依頼、許可を得て奥に通される2人。
 助かったとも言える勝利だったので2人は安心して居た、此処に泊まるより他に良い考えも無いし。
 しかし安心したのは間違いであった…。
 かつて源頼朝の父親義朝は平治の乱で敗れた所謂、落武者で家来の鎌田正清の舅である愛知県の長田忠致(おさだただむね)を頼り12月の雪の中、子供の頼朝がはぐれ命からがら辿り着いた長田忠致の所で息子景致との謀略に因り風呂場で丸腰でとどめを刺されて居る、鎌田正清も消され平家に売り飛ばされた。
 1160年正月の事であるがその25年後、事もあろうに雪の中で「はぐれた」源頼朝が弟、義経の活躍により壇ノ浦に平家を破り幕府を設立したのである。
 平清盛が幼い頃の頼朝、義経を処理しなかったのは実は義朝の「側室常盤御前」詰まりお下がりにゾッコンだったからでその常盤御前にホダされ「言いなり」で無様ななれの果てと成る。
 そも「日本昔話」みたいな穏やかな感じの全く無い飛んでも無くえげつない事が常識な程の当時、負け組、敗軍の将は明智光秀の様に名も無い追剥に売り飛ばされたり、戦に勝っても占領軍が敵が逃げ去った後の土地の井戸水は毒を入れられて居るだろうから飲んではいけないと云った通達が出された程である。
 絶対に気の抜けない時代…。
 「…あのクズが噛ませ犬にも成らぬ事くらい想定の域であったわ…。」気配を消して隠れて居た漢が小声でつぶやく。
 服部半蔵石見守正就である。
 その眼は血走り、常人の物とはかけ離れた物であった。
 小野次郎右衛門忠明は正就が雇い焚き付けて居たのである!
 2人が此の峠を越える明日は滋賀県土山である、近くには甲賀忍者が居る、未だ伊賀忍者の勢力圏の三重県坂下に2人が居る。
 是が最期の絶好の機会である。
 そう、明らかに奇人変人で次は何を仕出かすか判らない漢で、従って人望も何も無くしかも「私怨」であるのでとても甲賀に協力は頼めない。
 更に「私怨」と言っても徳川幕府内に有って泰平の世に仕事らしい物は無く私邸の改築を部下に命じて手伝わせたり部下にストライキを起こされたりして、江戸荒らしの風魔小太郎を捕らえたのは良かったがそれは風魔と敵対して居た高坂党の手引きで服部1人の手柄ではなかったとか普段からの奇行も目立ち、父親半蔵正成とは似ても似付かず正成死後徳川将軍家でも疎んじられて居た事と柳生の依怙贔屓に対しての妬み、平たく言えば自業自得への逆ギレである。
 兎に角、奇人変人なのである。
 狂乱状態であって正就は1605年秋、代官井奈熊蔵の家来を惨殺、改易処分に成って居た。
 正就は1615年5月7日大坂夏の陣の際に「死亡」と言われて居るが「行方不明」に成った日であって、他にも1651年9月20日75歳で死亡と言った「説」も有り三厳と利厳の死亡した年の翌年と成る。
 柳生を呪い続ける暇は充分に有り、先回りして何と此処坂下の賊とつるみ…。
 犬を連れた変わった漢も居る、舶来の者らしく眼が青い。
 鏡岩の所に出没する鬼と恐れられる賊の者で名をガルフォードと言う。
 しかも此奴等、阿片(麻薬の事)漬けに成って居る連中で有った。
 決行は今夜、危うし!三厳と利厳、2人の運命は?!
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ツバサ
(2020/02/28)


襲撃から無事に生還したと思ったら、
今度は別の襲撃の香りが……。
折角、安心して眠れると思いきや、
次から次へと本当にキリがないですね^^;
三厳と利厳はどうなってしまうのか気になります。

ガオ
(2020/02/28)


 こんばんは、ツバサ様いつも誠に有難う御座います。<(_ _)>
 ご覧下さったのですねっ。
 服部正就がかつての「伊賀の頭領」の立場を投げうって麻薬漬けの賊に落ちぶれ満を持して三厳と利厳の前に立ちはだかります!ご期待下さって嬉しいです、感謝です、きっとお応え出来る良い物に致します。<(_ _)>最後の完成迄頑張ります。

ミドリノマッキー
(2020/02/29)


ほおー、このような小説もお書きだったんですね。
初めて知りました。
歴史ものは大好きですので、関心を持って拝見させていただきます。
これからの展開に期待です。

ガオ
(2020/02/29)


あっ、マッキー様、嬉しい、誠に感謝です。〈(_ _)〉
じ、実は半年振りに続きを書きましたー。
あ、あの…、サムライスピリッツってゲームの二次小説なのですけど此のゲームをご存知でしょうか?
島原の乱を題材にした剣道物なのです。
柳生十兵衛三厳と、柳生兵庫助利厳が東海道五十三次を通って先ずは京都を目指し、島原迄行って天草四郎時貞と対決しに向かう内容です。途中でいろんな横槍が入ります。最後迄頑張って書きます。宜しくお願い申し上げます。〈(_ _)〉

地下鉄日比谷線
(2020/03/01)


こんばんは^^
典膳を倒したものの、遂に半蔵が姿を現しましたね@@
奇人変人程、何をしでかすか、判りませんからねぇ・・・^^;
「正々堂々と勝負」などと言う事も、絶対に無いだろうし、用心しないとヤバいですね^^;
ジャンキーの外国人も出てきた事ですし、更なる続きが楽しみです^^

ガオ
(2020/03/01)


麿様だーっ!有難う御座いますー。〈(_ _)〉
そうなんですよ、半蔵正就は75歳迄生きて居たって「説」は本当に有るのですー。
ヤバい人格だったのは本当ですー。
舶来の外国人は私が勝手にゲームキャラを持って来て同席させました。
半年振りで恐縮ですが頑張って完成させます。
ご期待下さり誠に感謝です。
今回もご覧下さり有難う御座いました。

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Author:ガオ
 宮崎の者で御座います。
 個人的に調査をした事を発表して居りますブログです。
 令和3年7月です。22日は海の日、23日スポーツの日から東京オリンピックが始まる予定です。
 引き続き健康第一!マスクにうがい、手洗いをどうか、宜しくお願い申し上げます。<(_ _)>

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